概要
post_password_requiredフィルタは、投稿ページのパスワード保護状態を調べる際に使用されます。このフィルタを使うことで、パスワードが必要な投稿かどうかを確認し、特定の条件に応じて投稿の表示やメッセージを変更することができます。主に以下のような機能を実装する際に利用されます。
- パスワード保護された投稿のカスタムメッセージを表示
- 任意のユーザーがパスワードを入力した際の処理
- パスワード保護された投稿の内容をフィルタリング
- パスワード入力フォームのカスタマイズ
- 管理画面におけるパスワード保護のフラグの設定
- 特定の条件下でパスワードを無効化
- パスワード保護の条件に基づくアクションのトリガー
- ゲストユーザーに特別なメッセージを表示
このフィルタは、WordPress 2.9.0以降で使用可能です。WordPressのコアファイルには /wp-includes/post.php に含まれています。
構文
apply_filters( 'post_password_required', bool $required, WP_Post $post );
パラメータ
$required: 投稿がパスワード保護されているかどうかの真偽値$post: 対象の投稿オブジェクト
戻り値
- フィルタを通過した後のパスワード保護状態を示す真偽値
関連する関数
このフィルタが使用可能なバージョン
- WordPress 2.9.0以降
このフィルタが含まれるワードプレスのコアファイル
/wp-includes/post.php
この関数のアクションでの使用可能性
| アクション | 使用例 |
|---|---|
| mu_plugin_loaded | |
| registered_post_type | |
| plugins_loaded | |
| wp_roles_init | |
| setup_theme | |
| after_setup_theme | |
| set_current_user | |
| init | |
| register_sidebar | |
| wp_loaded | |
| send_headers | |
| parse_query | |
| pre_get_posts | |
| wp | 〇 |
| template_redirect | |
| get_header | |
| wp_head |
サンプルコード
以下に post_password_required フィルタを使用した5つのサンプルコードを示します。
サンプルコード 1: カスタムメッセージの表示
add_filter( 'post_password_required', 'custom_password_message', 10, 2 );
function custom_password_message( $required, $post ) {
if ( $required ) {
echo '<p class="custom-message">この投稿はパスワード保護されています。正しいパスワードを入力してください。</p>';
}
return $required;
}
このサンプルコードは、パスワード保護された投稿が要求される場合にカスタムメッセージを表示します。
サンプルコード 2: 特定のユーザーグループのパスワード無効化
add_filter( 'post_password_required', 'disable_password_for_logged_users', 10, 2 );
function disable_password_for_logged_users( $required, $post ) {
if ( is_user_logged_in() ) {
return false; // ログインしている場合はパスワードの要求を無効化
}
return $required;
}
このサンプルコードは、ログインしているユーザーに対してパスワードの要求を無効にします。
サンプルコード 3: パスワード保護状態のロギング
add_filter( 'post_password_required', 'log_password_required_status', 10, 2 );
function log_password_required_status( $required, $post ) {
if ( $required ) {
error_log( '投稿 ID ' . $post->ID . ' はパスワード保護されています。' );
}
return $required;
}
このサンプルコードは、パスワード保護された投稿のIDをエラーログに記録します。
サンプルコード 4: パスワードフィールドのデフォルトテキストを変更
add_filter( 'the_password_form', 'custom_password_form' );
function custom_password_form() {
return '<label for="post_password">カスタムパスワード:</label> <input name="post_password" type="password" id="post_password" />';
}
このサンプルコードは、パスワード入力フォームのラベルをカスタマイズしています。
サンプルコード 5: パスワード保護の条件付きメッセージ
add_filter( 'post_password_required', 'conditional_password_message', 10, 2 );
function conditional_password_message( $required, $post ) {
if ( $required && current_user_can('editor') ) {
echo '<p>あなたはこの投稿を表示する権限がありますが、パスワードが必要です。</p>';
}
return $required;
}
このサンプルコードでは、編集者のユーザーに特定のメッセージを表示するカスタマイズを行います。