プラグインWooCommerceのwoocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_propフィルタの使用方法・解説

概要

woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop フィルタは、WooCommerceにおいて顧客の個人データを削除する際に使用されます。このフィルタを使用することで、開発者は特定のデータプロパティの消去処理をカスタマイズすることができます。具体的には、以下のような機能を実装する際によく使われます。

顧客の住所や連絡先情報の消去
購入履歴の削除
カスタムメタデータの削除
プライバシーポリシーに基づいたデータ管理
GDPR準拠のためのデータ消去
エラーハンドリングの強化

構文

apply_filters( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', $data, $customer_id, $prop );

パラメータ

$data: 削除対象のデータ。
$customer_id: 対象顧客のID。
$prop: 消去対象のプロパティ名。

戻り値

必要に応じて修正されたデータ。

バージョン情報

使用可能なプラグイン: WooCommerce
WooCommerceのバージョン: 5.0.0以降
WordPressのバージョン: 5.0.0以降

この関数のアクションでの使用可能性

アクション	使用可能
mu_plugin_loaded
registered_post_type
plugins_loaded
wp_roles_init
setup_theme
after_setup_theme
set_current_user
init
register_sidebar
wp_loaded
send_headers
parse_query
pre_get_posts
wp
template_redirect
get_header
wp_head

サンプルコード

サンプルコード1: カスタムメタデータの消去

add_filter( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', 'custom_erase_metadata', 10, 3 );

function custom_erase_metadata( $data, $customer_id, $prop ) {
    if ( $prop === 'custom_meta' ) {
        delete_post_meta( $customer_id, 'custom_meta' );
    }
    return $data;
}

このコードは、特定のカスタムメタデータを削除するためにフィルタを使用しています。custom_metaというプロパティが指定された場合、関連するメタデータが削除されます。

サンプルコード2: 追加のログを記録する

add_filter( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', 'log_data_erasure', 10, 3 );

function log_data_erasure( $data, $customer_id, $prop ) {
    error_log( "Deleting prop: $prop for customer ID: $customer_id" );
    return $data;
}

このコードは、データ消去の際に何が消去されるかを記録するためにフィルタを使用しています。消去されるプロパティ名と顧客IDがサーバーログに記録されます。

サンプルコード3: 種類に応じたデータの消去

add_filter( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', 'conditional_data_removal', 10, 3 );

function conditional_data_removal( $data, $customer_id, $prop ) {
    if ( $prop === 'billing_address' && some_condition() ) {
        // 論理に基づいて住所を消去する
        delete_post_meta( $customer_id, 'billing_address' );
    }
    return $data;
}

このコードでは、特定の条件が満たされた場合にのみ、請求先住所を削除しています。このアプローチにより、状況に応じてデータの消去を柔軟に管理できます。

サンプルコード4: 他のプラグインとの互換性

add_filter( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', 'ensure_compatibility_with_other_plugins', 10, 3 );

function ensure_compatibility_with_other_plugins( $data, $customer_id, $prop ) {
    if ( $prop === 'third_party_data' ) {
        // 他のプラグインで使用されているデータを消去
        delete_post_meta( $customer_id, 'third_party_data' );
    }
    return $data;
}

このコードは、他のプラグインで使用されているデータを消去するための例です。このようにフィルタを使用することで、異なるプラグイン間でデータ消去の整合性を保つことができます。

サンプルコード5: デフォルトの動作をオーバーライド

add_filter( 'woocommerce_privacy_erase_customer_personal_data_prop', 'override_default_behavior', 10, 3 );

function override_default_behavior( $data, $customer_id, $prop ) {
    if ( $prop === 'default_data' ) {
        // デフォルトの消去行動をオーバーライド
        $data = 'Data has been overridden.';
    }
    return $data;
}

このコードは、特定のプロパティに対するデフォルトの消去動作をオーバーライドする例です。特定の条件のもとで、データの消去を別の方法で処理することができます。

概要

構文