概要
woocommerce_cart_hash_keyフィルタは、WooCommerceのカートセッションを統合するために使用されるカスタムハッシュキーを生成する際のフックとして機能します。このフィルタを利用することで、カートに対するカスタムデータを追加したり、カートの一意性を向上させたりすることができます。特によく使われるシナリオは以下のとおりです。
- ユーザーごとのカートのカスタムデータ管理
- 商品のカスタム属性に基づくカートの個別化
- 外部APIから取得した情報のカートへの追加
- カートが更新されたときのトラッキング情報の管理
- 多国籍対応のための地域によるカートの調整
- プラグインによるカートデータの拡張
構文
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'custom_cart_hash_key_function');
パラメータ
$hash_key（string）: 現在のカートハッシュキー。
戻り値
- string: フィルタされたカートハッシュキー。
使用可能なWooCommerceバージョン
- WooCommerce 2.6以上。
使用可能なWordPressバージョン
- WordPress 4.0以上。
この関数のアクションでの使用可能性
| アクション名 | 使用例 |
|---|---|
| mu_plugin_loaded | |
| registered_post_type | |
| plugins_loaded | |
| wp_roles_init | |
| setup_theme | |
| after_setup_theme | |
| set_current_user | |
| init | |
| register_sidebar | |
| wp_loaded | |
| send_headers | |
| parse_query | |
| pre_get_posts | |
| wp | |
| template_redirect | |
| get_header | |
| wp_head |
サンプルコード
サンプルコード1: カスタムデータの追加
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'add_custom_data_to_cart');
function add_custom_data_to_cart($hash_key) {
if (is_user_logged_in()) {
$hash_key .= '_user_' . get_current_user_id();
}
return $hash_key;
}
説明: ユーザーがログインしている場合、カートのハッシュキーにユーザーIDを追加することで、ユーザーごとのカートの一意性を保ちます。
引用元: https://woocommerce.com
サンプルコード2: 商品属性に基づくカスタムハッシュ
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'custom_cart_hash_for_product_attribute');
function custom_cart_hash_for_product_attribute($hash_key) {
foreach (WC()->cart->get_cart() as $cart_item) {
$product_id = $cart_item['product_id'];
$attribute_value = get_post_meta($product_id, '_custom_attribute', true);
if ($attribute_value) {
$hash_key .= '_' . $attribute_value;
}
}
return $hash_key;
}
説明: カート内の商品属性に基づいてハッシュキーをカスタマイズすることで、同じ商品の異なる属性がカートに入る場合にそれらを区別します。
引用元: https://woocommerce.com
サンプルコード3: 外部API情報の追加
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'add_api_data_to_cart_hash');
function add_api_data_to_cart_hash($hash_key) {
// 外部APIから取得したトークンなどの情報を追加
$api_token = get_option('external_api_token');
if ($api_token) {
$hash_key .= '_api_' . $api_token;
}
return $hash_key;
}
説明: 外部APIから取得したトークンをハッシュキーに追加し、外部データに依存するカートの一意性を確保します。
引用元: https://woocommerce.com
サンプルコード4: リージョンによるカスタマイズ
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'region_based_cart_hash');
function region_based_cart_hash($hash_key) {
$user_region = get_user_region(); // ユーザーのリージョン情報を取得
$hash_key .= '_region_' . $user_region;
return $hash_key;
}
説明: ユーザーの地域情報に基づいてハッシュキーを変更し、地域ごとのカート情報を管理します。
引用元: https://woocommerce.com
サンプルコード5: トラッキング情報の管理
add_filter('woocommerce_cart_hash_key', 'track_cart_updates');
function track_cart_updates($hash_key) {
if (isset($_COOKIE['tracking_info'])) {
$hash_key .= '_tracking_' . sanitize_text_field($_COOKIE['tracking_info']);
}
return $hash_key;
}
説明: クッキーに保存されたトラッキング情報をハッシュキーに追加することにより、カートに対するユーザーの行動を追跡します。
引用元: https://woocommerce.com