プラグインWooCommerceのwoocommerce_cart_needs_shipping_addressフィルタの使用方法・解説

概要

woocommerce_cart_needs_shipping_address は、WooCommerce カートの処理に関連するフィルターフックです。このフィルタを使用すると、カートに商品を追加する際に、顧客の配送先情報が必要かどうかを制御できます。特に、デジタル商品や特定の条件に基づく商品の購入時には、配送先情報を省略したい場合に便利です。このフィルタは、以下のような場面でよく利用されます。

デジタル商品の購入時に配送先情報を非表示にしたい。
特定のユーザーのために配送先情報を省略したい。
特定の国や地域での配送情報を無視したい。
プロモーションで特定の商品購入時に配送情報を免除したい。
オンラインデジタルサービスの販売時にカートから配送先情報を削除したい。
カスタムチェックアウトフローを実装したい。

構文

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'function_name', 10, 2 );

パラメータ

bool: カートが配送先情報を必要とするかどうかの真偽値。
WC_Cart: 現在のカートインスタンス。

戻り値

bool: 通常は true または false を返します。これにより、配送先情報が必要かどうかを制御できます。

用途

このフィルタは、WooCommerce バージョンおよび WordPress の最新バージョンと互換性があるプラグインであり、特定の条件に基づいて配送先情報の要求を変更するために広く使用されています。

この関数のアクションでの使用可能性

アクション	使用可能性
mu_plugin_loaded
registered_post_type
plugins_loaded
wp_roles_init
setup_theme
after_setup_theme
set_current_user
init
register_sidebar
wp_loaded
send_headers
parse_query
pre_get_posts
wp
template_redirect
get_header
wp_head

サンプルコード

サンプルコード1: デジタル商品の場合に配送先情報を省略

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'custom_needs_shipping_address' );

function custom_needs_shipping_address( $needs_shipping, $cart ) {
    foreach ( $cart->get_cart() as $cart_item ) {
        if ( 'digital' === $cart_item['data']->get_type() ) {
            return false; // デジタル商品の場合、配送先情報は不要
        }
    }
    return $needs_shipping; // それ以外は元の設定を使用
}

このコードは、カート内にデジタル商品が含まれている場合、配送先情報を必要としないように設定します。

サンプルコード2: 特定のユーザーに対して配送先情報を省略

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'custom_needs_shipping_for_user' );

function custom_needs_shipping_for_user( $needs_shipping ) {
    if ( is_user_logged_in() && current_user_can( 'custom_role' ) ) {
        return false; // 特定のロールを持つユーザーには配送先情報を不要
    }
    return $needs_shipping;
}

このコードは、特定のユーザー権限を持つユーザーに対して配送先情報を非表示にします。

サンプルコード3: 特定の国での配送先情報の省略

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'custom_needs_shipping_for_country' );

function custom_needs_shipping_for_country( $needs_shipping ) {
    if ( WC()->customer->get_billing_country() === 'US' ) {
        return false; // 米国の場合、配送先情報は不要
    }
    return $needs_shipping;
}

このコードは、顧客の請求国が米国の場合、配送先情報を不要とします。

サンプルコード4: プロモーションによる配送先情報の非表示

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'custom_needs_shipping_for_promotion' );

function custom_needs_shipping_for_promotion( $needs_shipping ) {
    if ( isset( $_GET['promo_code'] ) && $_GET['promo_code'] === 'FREE_SHIP' ) {
        return false; // プロモーションコードがあれば、配送先情報は不要
    }
    return $needs_shipping;
}

このコードは、特定のプロモーションコードが用いられた場合、配送先情報を省略するように設定します。

サンプルコード5: カスタムチェックアウトフロー

add_filter( 'woocommerce_cart_needs_shipping_address', 'custom_enable_custom_checkout' );

function custom_enable_custom_checkout( $needs_shipping ) {
    if ( isset( $_REQUEST['custom_checkout'] ) ) {
        return false; // カスタムチェックアウトがリクエストされた場合、配送先情報は不要
    }
    return $needs_shipping;
}

このコードは、カスタムのチェックアウトフローが有効な場合、配送先情報を無視します。

これらのサンプルコードはすべて、WooCommerce の woocommerce_cart_needs_shipping_address フィルタを使用して、異なる条件に応じて配送先情報の要否を制御しています。各サンプルは著作権フリーのものであり、独自にカスタマイズして使用することが可能です。

概要

構文