プラグインWooCommerceのwoocommerce_get_geolocationフィルタの使用方法・解説

概要

woocommerce_get_geolocation フィルタは、WooCommerceにおいて顧客の地理情報を取得する際にカスタマイズを行うために利用されます。このフィルタを使用すると、デフォルトのロケーション取得ロジックを変更したり、新しいデータソースを追加したりすることが可能です。特によく使われる機能としては、以下のようなものがあります：

カスタムIPアドレスによる位置情報の取得
特定の国や地域に基づく条件付き設定
地理情報に基づいた送料の計算
ユーザープロファイルの自動入力
地域別のプロモーションやディスカウントの適用
ユーザーエクスペリエンスを向上させるための地理情報の分析

構文

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'custom_geolocation_function', 10, 2);

パラメータ

$geo_data (array) – 地理情報データ、例: ['country' => 'JP', 'city' => 'Tokyo']
$request (array) – リクエストに関する情報

戻り値

返される値はカスタマイズされた地理情報の配列です。

使用可能なプラグインWooCommerceのバージョン

このフィルタはWooCommerceのバージョン3.0以降で利用可能です。

使用可能なワードプレスのバージョン

WordPressの5.0以降で利用可能です。

この関数のアクションでの使用可能性

アクション	使用可能性
mu_plugin_loaded
registered_post_type
plugins_loaded
wp_roles_init
setup_theme
after_setup_theme
set_current_user
init
register_sidebar
wp_loaded
send_headers
parse_query
pre_get_posts
wp
template_redirect
get_header
wp_head

サンプルコード

サンプルコード1: デフォルトの位置情報を変更する

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'custom_geolocation_function', 10, 2);
function custom_geolocation_function($geo_data, $request) {
    return [
        'country' => 'US',
        'city' => 'New York'
    ];
}

このコードは、デフォルトの位置情報をアメリカのニューヨークに変更します。

サンプルコード2: IPアドレスから地理情報を取得する

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'custom_ip_geolocation', 10, 2);
function custom_ip_geolocation($geo_data, $request) {
    // ユーザーのIPアドレスを取得
    $ip_address = $_SERVER['REMOTE_ADDR'];
    // 特定のIPアドレスに基づいた地理情報を返す
    if ($ip_address === '123.123.123.123') {
        $geo_data['country'] = 'JP';
        $geo_data['city'] = 'Tokyo';
    }
    return $geo_data;
}

このコードは、特定のIPアドレスに基づいて日本の東京を返します。

サンプルコード3: デフォルトの国コードを変更

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'change_default_country', 10, 2);
function change_default_country($geo_data, $request) {
    $geo_data['country'] = 'DE'; // デフォルトをドイツに変更
    return $geo_data;
}

このコードは、デフォルトの国コードをドイツに変更します。

サンプルコード4: 地域ベースの送料の適用

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'apply_shipping_based_on_location', 10, 2);
function apply_shipping_based_on_location($geo_data, $request) {
    if ($geo_data['country'] === 'CA') {
        add_filter('woocommerce_shipping_zone', function($zone) {
            // カナダの送料設定
            $zone['shipping_rates']['flat_rate:1']->cost = 20; // 送料を$20に
            return $zone;
        });
    }
    return $geo_data;
}

このコードは、カナダからの注文の場合に特定の送料を設定します。

サンプルコード5: ユーザー設定に基づく位置情報の上書き

add_filter('woocommerce_get_geolocation', 'override_geolocation_if_logged_in', 10, 2);
function override_geolocation_if_logged_in($geo_data, $request) {
    if(is_user_logged_in()) {
        $user_location = get_user_meta(get_current_user_id(), 'location', true);
        if(!empty($user_location)) {
            $geo_data['country'] = $user_location['country'];
            $geo_data['city'] = $user_location['city'];
        }
    }
    return $geo_data;
}

このコードは、ユーザーがログインしていて、プロファイルに設定された位置情報を基に地理情報を上書きします。

引用元のページは指定されていないため、例として著作権フリーのサンプルコードを提供しました。必要に応じて、WooCommerceの公式ドキュメントやGitHubを参照して、最新の情報を確認してください。

概要

構文