プラグインWooCommerceのwoocommerce_process_login_errorsフィルタの使用方法・解説

概要

woocommerce_process_login_errors フィルタは、WooCommerce におけるユーザーのログイン処理時に発生するエラーをカスタマイズするために使用されるフックです。このフィルタを利用することで、ログイン認証中に発生するエラーメッセージを変更したり、新しいバリデーションルールを追加したりすることができます。具体的には、以下のような用途でよく使われます。

不正なログイン試行の警告メッセージを変更する
ユーザーが指定した条件を満たさない場合にエラーを追加する
特定のユーザー属性に基づいたエラー処理を行う
ログイン失敗の理由を詳細に表示する
カスタムエラーメッセージを表示する
ユーザーがログインするためのカスタムバリデーションを実施する

構文

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'custom_login_errors_function', 10, 2);

パラメータ

$errors (WP_Error): ログインエラーのインスタンス。
$username (string): 認証に使用されたユーザー名。
$password (string): 認証に使用されたパスワード。

戻り値

このフィルタは、WP_Error オブジェクトを返します。エラーがない場合は、通常の処理を続行し、エラーがある場合はその内容を追加したオブジェクトを返します。

対応バージョン

WooCommerce バージョン: 3.0以上
WordPress バージョン: 4.0以上

この関数のアクションでの使用可能性

アクション	使用例
mu_plugin_loaded
registered_post_type
plugins_loaded
wp_roles_init
setup_theme
after_setup_theme
set_current_user
init
register_sidebar
wp_loaded
send_headers
parse_query
pre_get_posts
wp
template_redirect
get_header
wp_head

サンプルコード

サンプル1: カスタムエラーメッセージ

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'custom_login_error_message', 10, 2);
function custom_login_error_message($errors, $username, $password) {
    if (empty($username) || empty($password)) {
        $errors->add('field', 'ユーザー名とパスワードは必須です。');
    }
    return $errors;
}

このサンプルコードは、ユーザー名またはパスワードが空の場合にカスタムエラーメッセージを表示します。

サンプル2: 特定条件でのエラーチェック

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'check_user_role_on_login', 10, 2);
function check_user_role_on_login($errors, $username, $password) {
    $user = get_user_by('login', $username);
    if ($user && in_array('subscriber', (array) $user->roles)) {
        $errors->add('role', 'サブスクライバーはログインできません。');
    }
    return $errors;
}

このコードは、ユーザーが「サブスクライバー」ロールの場合、ログインを拒否するエラーメッセージを追加します。

サンプル3: パスワード要件の検証

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'validate_password_strength', 10, 2);
function validate_password_strength($errors, $username, $password) {
    if (strlen($password) < 8) {
        $errors->add('password', 'パスワードは8文字以上でなければなりません。');
    }
    return $errors;
}

このサンプルは、パスワードが8文字未満の場合にエラーメッセージを追加します。

サンプル4: 二段階認証のチェック

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'check_two_factor_authentication', 10, 2);
function check_two_factor_authentication($errors, $username, $password) {
    // 二段階認証の有効化チェックを行うロジック
    if (is_two_factor_enabled($username) && !is_two_factor_verified($username)) {
        $errors->add('two_factor', '二段階認証を完了してください。');
    }
    return $errors;
}

このサンプルは、ユーザーが二段階認証を設定している場合に、認証が完了していないとエラーメッセージを追加します。

サンプル5: ログインロックアウト機能

add_filter('woocommerce_process_login_errors', 'login_lockout_feature', 10, 2);
function login_lockout_feature($errors, $username, $password) {
    $max_attempts = 3; // 最大ログイン試行回数
    $failed_attempts = get_failed_login_attempts($username);

    if ($failed_attempts >= $max_attempts) {
        $errors->add('lockout', 'アカウントは一時的にロックされています。');
    }
    return $errors;
}

このコードは、特定のユーザーのログイン試行が一定回数を超えた場合、そのユーザーをロックアウトするエラーメッセージを表示します。

概要

構文