プラグインWooCommerceのwoocommerce_update_customer_argsフィルタの使用方法・解説

概要

woocommerce_update_customer_argsフィルタは、WooCommerceプラグインにおいて顧客情報を更新する際に、その更新処理をカスタマイズするためのフックです。このフィルタを使用することで、顧客データの登録や更新の際に送信される引数を変更することが可能です。

このフィルタは以下のような機能を実装する際によく使われます：

顧客のカスタムフィールドの追加
特定の条件に基づく情報のフィルタリング
更新するデータのバリデーション
変更されたデータのログ記録
ユーザーの通知機能の強化
データ送信前のフックを利用したセキュリティ強化

構文

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'your_function_name', 10, 2);

パラメータ

$args: 更新される顧客情報の配列
$customer_id: 更新対象の顧客のID

戻り値

修正後の顧客情報の配列

使用可能なバージョン

WooCommerce: 3.0以上
WordPress: 4.0以上

この関数のアクションでの使用可能性

アクション	使用例
mu_plugin_loaded
registered_post_type
plugins_loaded
wp_roles_init
setup_theme
after_setup_theme
set_current_user
init
register_sidebar
wp_loaded
send_headers
parse_query
pre_get_posts
wp
template_redirect
get_header
wp_head

サンプルコード

サンプル1: 顧客のカスタムフィールドを追加

このサンプルコードは、顧客情報にカスタムフィールドを追加する方法を示しています。

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'add_custom_field_to_customer', 10, 2);
function add_custom_field_to_customer($args, $customer_id) {
    if (isset($_POST['custom_field'])) {
        $args['custom_field'] = sanitize_text_field($_POST['custom_field']);
    }
    return $args;
}

説明: フォームから送信されたカスタムフィールドの値を安全にサニタイズし、顧客情報の更新時に追加します。

サンプル2: 特定の条件で顧客情報を変更

このサンプルコードは、特定の条件に基づいて顧客のメールアドレスを変更する例です。

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'modify_customer_email', 10, 2);
function modify_customer_email($args, $customer_id) {
    if ($args['email'] === 'old@example.com') {
        $args['email'] = 'new@example.com';
    }
    return $args;
}

説明: 顧客のメールアドレスが特定の値（例: ‘old@example.com’）であれば、新しいメールアドレスに変更します。

サンプル3: 顧客情報のバリデーション

このサンプルは、顧客データをバリデートする方法を示しています。

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'validate_customer_data', 10, 2);
function validate_customer_data($args, $customer_id) {
    if (!filter_var($args['email'], FILTER_VALIDATE_EMAIL)) {
        wc_add_notice(__('Invalid email address.', 'woocommerce'), 'error');
        return false; // 更新を中止
    }
    return $args;
}

説明: 入力されたメールアドレスが有効な形式でない場合、エラーメッセージを表示し、顧客情報の更新を中止します。

サンプル4: 更新ログの記録

このサンプルコードは、顧客情報の更新時にログを記録する方法を示します。

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'log_customer_update', 10, 2);
function log_customer_update($args, $customer_id) {
    error_log('Customer ID ' . $customer_id . ' updated with args: ' . json_encode($args));
    return $args;
}

説明: 顧客の更新情報をエラーログに記録します。

サンプル5: データ送信前のフックを利用したセキュリティ強化

このサンプルは、特定の条件が満たされた場合に更新をブロックします。

add_filter('woocommerce_update_customer_args', 'secure_customer_update', 10, 2);
function secure_customer_update($args, $customer_id) {
    if (!current_user_can('edit_user', $customer_id)) {
        return false; // 権限がない場合は更新を中止
    }
    return $args;
}

説明: 現在のユーザーが顧客情報を編集する権限を持っていない場合、更新を中止します。

概要

構文