概要
woocommerce_persistent_cart_enabled
フィルタは、WooCommerceのカートの永続性管理を制御するものです。このフィルタを使用することで、利用者がブラウザやデバイスを変更しても、カートの内容を保持する機能を管理できます。具体的には、特定の条件下でカートの保存を有効・無効にすることができます。このフィルタは、以下のような機能実装時によく使われます。
- デバイス間でのカートの同期
- 特定のユーザーグループに対するカートの永続性の設定
- 機能の制御に基づくカートデータの保持
- セキュリティポリシーに基づくカートの有効/無効設定
- 特定のプラグインとの統合によるカートの持続性の管理
- パフォーマンス向上のためのカート情報の処理
フィルタの構文は以下の通りです。
apply_filters( 'woocommerce_persistent_cart_enabled', $is_enabled );
パラメータ
$is_enabled
: bool型の値で、カートの永続性を有効にするかどうかを示します。デフォルトはtrue
。
戻り値
- フィルタを適用した後の
$is_enabled
の値が返されます。
対応バージョン
このフィルタはWooCommerceが実装されている環境で利用可能ですが、具体的なバージョンは新しいバージョンほどより多くの機能が追加されている場合があります。WordPressのバージョンにも依存します。
この関数のアクションでの使用可能性
アクション名 | 使用可能性 |
---|---|
mu_plugin_loaded | |
registered_post_type | |
plugins_loaded | |
wp_roles_init | |
setup_theme | |
after_setup_theme | |
set_current_user | |
init | |
register_sidebar | |
wp_loaded | |
send_headers | |
parse_query | |
pre_get_posts | |
wp | |
template_redirect | |
get_header | |
wp_head |
サンプルコード
サンプル1: 永続カートを無効化する
add_filter('woocommerce_persistent_cart_enabled', '__return_false');
このコードは、サイト全体でカートの永続性機能を無効にします。
サンプル2: ユーザーがログインしている場合だけ永続カートを有効にする
add_filter('woocommerce_persistent_cart_enabled', function($is_enabled) {
return is_user_logged_in();
});
このコードは、ユーザーがログインしている場合のみカートの永続性を有効にします。
サンプル3: 特定のロールを持つユーザーに対して永続カートを無効にする
add_filter('woocommerce_persistent_cart_enabled', function($is_enabled) {
if (current_user_can('subscriber')) {
return false;
}
return $is_enabled;
});
このコードは、サブスクライバー権限を持つユーザーに対してカートの永続性を無効にします。
サンプル4: 管理者には永続カートを強制的に有効にする
add_filter('woocommerce_persistent_cart_enabled', function($is_enabled) {
if (current_user_can('administrator')) {
return true;
}
return $is_enabled;
});
このコードは、管理者に対してカートの永続性を常に有効にします。
サンプル5: 特定のIPアドレスからのアクセス時にカートを無効化する
add_filter('woocommerce_persistent_cart_enabled', function($is_enabled) {
if ($_SERVER['REMOTE_ADDR'] === '192.168.1.1') {
return false;
}
return $is_enabled;
});
このコードは、特定のIPアドレス(例:192.168.1.1)からのアクセス時にカートの永続性を無効にします。